もういちど、前回の認知症とは?の図をだします。
認知症は、①脳の機能低下がおこり、②それによって認知機能が低下し、③ADL(日常生活動作)がそこなわれる…という状態でした。
いちばん最初の①脳の機能低下の原因についてかいていきます。
脳の機能低下をおこす原因は、いろいろあります。
老化とか、脳卒中とか、うつ病とか…。
認知症をおこす脳の機能低下は、全部で70種類くらいあるといわれています。
ところで、認知症って…『認知症になったらおわり』っておもいませんか?
でも、認知症の中の7%ほどは、治療によって改善が可能なものがあるといわれています。
これらは手術や薬の調整によって劇的に認知機能が改善するといわれています。
治療可能な認知症の種類をあげていきます。
われわれ医師の仕事としては、認知症患者さんをみたとき、この7%の治療可能な人を診断するのが大事になってきます。
じゃあ治療可能でない93%はどうなのか?ってことになります。
残念ながら、老化現象や脳卒中後(脳梗塞や脳出血後)の認知症は治療で劇的な改善は望めないです。
では93%のひとたちは『認知症になったらおわり』なんでしょうか?
たしかに、認知症になってしまうのは残念ですが、そうでもないんじゃないかな…とおもっています。
手術や薬剤の調整で劇的によくなることはないです。
しかし 医療従事者、介護従事者、民生委員さんなどの多職種連携をすることで対応できるんじゃないかとおもいます。