認知症の症状には、『中核症状』と『周辺症状』がありました。
周辺症状は中核症状にともなってでてくる症状です。
中核症状がまんなかだから主役(しゅやく)で、周辺症状は脇役(わきやく)みたいにおもうかもしれません。
でも認知症ではこの周辺症状がやっかいなのです。
たとえばこの絵の左側のようなおばあさんがいたとします。
鍵やお財布をなくしてしまったようです。
これはよくある記憶障害という『中核症状』です。
この場合、こまっているのはおばあさんだけです。
でも右側はどうでしょうか。
おばあさんは、お嫁さんに対して『わたしの財布をとったな!!』って詰め寄っています。
自分がなくしたのに、お嫁さんが盗んだって思いこんでしまっています。
これは被害妄想という『周辺症状』です。
お嫁さんは無実の罪をきせられて、『もうお義母さんの世話はしない!!』っておこってしまうかもしれません。
家族のきずなが破綻しやすくなるのです。