認知症とは…
①脳の機能低下がおこり
②それによって認知機能低下がおこり
③ADL(activities of daily living。日常生活動作)が低下する
という状態であると以前いいました。
今回は『ADLが低下する』ということを考えていきたいと思います。
ADLとはActivities of Daily Livingの略で、『日常生活動作』のことをいいます。
日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作で、「移動・食事・排泄・入浴・みだしなみ」を指します。
ADLにはIADLとBADLがあります。
またIADLは『家庭外』と『家庭内』にわけられます。
家庭外IADL→家庭内IADL→BADLの順番で動作としては簡単になっていきます。
簡単な動作ができなくなってくるとたいへんです。
認知症は徐々に進行するので、この順番にできなくなっていきます。
家庭外IADLができなくなる→家庭内IADLができなくなる→BADLができなくなる…というふうにすすみます。
具体的にいうと、仕事ができなくなり→日常生活ができなくなり→寝たきり状態になる…というかんじです。
なかでも、『便の排泄がうまくできなくなる』というのは家族さんにストレスです。
この状態になると、自宅での介護ができない、施設入所をかんがえたい…といわれます。
なかには、『いや、やっぱり家でみとりたい』といって在宅療養を続ける家族さんもいます。
どちらが間違っていて、どちらが正解、なんてことはありません。
それでも認知症、老化は進行していきます。
認知症では、『周辺症状』が家族をくるしめる…といいました。
しかしBADLができなくなる状態になると、ほぼ寝たきり状態に近く、家族さんを困らせる周辺症状もでなくなります。
徘徊や、暴言すらなくなっていくのです。